姿見の池 国分寺に残る豊かな里山

東京の名湧水57選

国分寺駅からほど近い姿見の池は、東京の名湧水57選にも選ばれ、武蔵野の原風景を今に残しています。

アクセス5.0
景観3.0
水質3.0
水量無評価(送水のため)
総評3.3

西国分寺駅から徒歩8分。商店街を抜けると姿見の池に向けて下る坂が現れます。姿見の池は平成13年に整備された公園になります。昔の池をイメージして作られたそうで、湿地や用水路、水辺林を一体となるように設計されています。

東京の名湧水57選にも選ばれているため、湧水も存在するとは思われます。しかし実はこの池、JR東日本のトンネルの漏水地下水を送水しているのです。JR武蔵野線国分寺トンネルからの漏水地下水は、550mの導水路を流れ姿身の池に放流されます。姿見の池は、実は漏水地下水を再び地下に浸透させる役割も担っているのです。ちなみに姿見の池は野川へと流れ、野川の再生にも寄与しています。

正面を走る中央線。この池はJR東とのつながりが大きい。

姿見の池とその伝承

姿見の池は、かつて付近の湧水や恋ヶ窪用水が流れ込み、清水を湛えていました。その名の由来は、鎌倉時代、恋ヶ窪が鎌倉街道の宿場町であった頃、遊女達が朝な夕なに自らの姿を映して見ていたという言い伝えによります。また、この池は「一葉松」の伝承の中にも登場します。源平争乱の頃、遊女の夙妻太夫と坂東武者で名将といわれた畠山重忠とが恋に落ちました。ところが太夫に熱をあげるもう一人の男がいて、その男は重忠が平家との西国の戦で討ち死にしたと嘘をうき、あきらめさせようとしましたが、深く悲しんだ大夫は姿見の他に身を投げてしまったと言い伝えられています。

公園設置の看板より

国分寺周辺には多くの湧水が現存しています。また、国分寺市は雨水浸透ますの設置で先行している自治体でもあります。姿見の池は、古くからの歴史と、現代の地下水保全技術が共生する場所でした。

参考:東京都地質調査業協会「図26 国分寺トンネルにおける湧水の有効活用」

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