実篤公園 武者小路実篤が住んだ湧き水のある庭園

東京23区

武者小路実篤が愛した庭園には武蔵野の面影を今に伝える水風景が残っています。

アクセス・評価
アクセス4.0
景観4.0
水質3.5
水量3.0
総評3.1
※東京の湧水として。個人の感想です。
開園時間

午前9時から午後5時(閲覧は午前10時から午後4時)

旧実篤邸(登録有形文化財)内部公開日
毎週土曜日・日曜日、祝日
時間:午前11時から午後3時

実篤公園とは

実篤公園は名前の通り、作家・武者小路実篤が70歳の時に、水のある場所に住みたいとの思いから邸宅を構えた場所です。ちなみに武者小路実篤は「友情」や「お目出たき人」で有名な白樺派の小説家。さらに脱線すると高校国語の教科書でお馴染み「城の崎にて」の志賀直哉も白樺派ですね。

閑話休題。京王線つつじが丘駅から徒歩10分のこの公園は、国分寺崖線に位置しており、崖を挟んで上下に公園があります。

国分寺崖線とは

古多摩川が武蔵野台地を侵食する際に形成された、河岸段丘の連なり。立川市から東南方向に延び、大田区の田園調布付近まで続いている。最大で20m程の高低差があり、地層が露出するため地下水が湧出しやすい。多くの湧水を擁する国分寺崖線沿いには、湧出した水を集めながら流れる「野川」が多摩川に注いでいる。

国分寺崖線は森に覆われており、古くから薪拾いなどに活用され、また湧出する清水は農業や飲用として用いされてきた。現在では武蔵野の原風景を残す貴重な自然環境となっている。

実篤公園の構造

実は実篤公園は少し複雑な構造をしており、入り方に迷うかもしれません。公園は三つのブロックで構成されており、それぞれを地下通路で繋いでいます。そして、中央のブロックには出入口がありません。ご注意ください。

実篤公園の湧水

湧水は北側と中央のブロックで見られます。まずは北側のブロックから。こちらは湧出量は少ないものの、澄んだ池があり、東屋が良い雰囲気を醸し出しています。

地下通路を使って中央のブロックへと抜けます。

中央ブロックでは高低差のある石垣から清水が湧き出していました。湧き水のわきに生える草、セキショウも見られます。

湧出量は少ないものの、途切れることなく湧き出しています。ちなみにこの清水を用いて蛍を育てる計画があったものの、湧出量が少なくなったことから頓挫したそうです。以前はもっと多く湧いていたのでしょう。

湧水の水質

最後に水質です。

pH7.18
EC206μs/cm
水温14.1℃
硝酸15ppm
亜硝酸態窒素3.5ppm
2023年2月8日

東京の湧水としては一般的な水質です。引用の可否については、湧出量が少なく、空中水が採取しずらいのでお勧めしません。

最後に。国分寺崖線沿いには多くの湧き水があります。大蔵住宅の湧水へも比較的近いのでぜひ合わせて訪れてみてください。

それでは。

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