成城学園前駅から徒歩20分ほどの場所にある大蔵住宅。世田谷通り沿いにある静かな団地です。大蔵住宅の裏にある「大蔵三丁目公園」が今日の舞台。閑静な住宅街に、滾々と清水が湧き出します。
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水質 | 未測定 |
成城学園前駅を出て、坂をひたすら下っていきます。雨上がりの日でしたが、学校や高級住宅街が続く、心地の良い町でした。さて、大蔵住宅の湧水ですが、湧出量は多いです。
東京都環境局のデータによると、渇水期でも150l/min、豊水期では300ml/minに達します。東京でこれほどの規模の湧水は、あまりありません。
ちなみに大蔵住宅の湧水は国分寺崖線に位置しています。黒枠が国分寺崖線、矢印が大蔵住宅の湧水です。仙川の侵食した谷と、国分寺崖線が交差していると言った方が正しいでしょうか
ここで重要な点は大蔵住宅周辺(上図中央)でM2の武蔵野礫層が露出していることです。武蔵野礫層は文字通り粒の大きな石(礫)で構成されており、多分の水を含んでいます。そのため、礫層が露出する地域では湧水が多く見られます。国分寺崖線沿い湧水が多いのも、崖によって武蔵野礫層が露出するからなのです。
国分寺崖線とは
古多摩川が武蔵野台地を侵食する際に形成された、河岸段丘の連なり。立川市から東南方向に延び、大田区の田園調布付近まで続いている。最大で20m程の高低差があり、地層が露出するため地下水が湧出しやすい。多くの湧水を擁する国分寺崖線沿いには、湧出した水を集めながら流れる「野川」が多摩川に注いでいる。
国分寺崖線は森に覆われており、古くから薪拾いなどに活用され、また湧出する清水は農業や飲用として用いされてきた。現在では武蔵野の原風景を残す貴重な自然環境となっている。
一つ残念なのが、湧水地付近が柵に囲われて自由に入れないこと。以前の写真では柵がなく、子供達が遊ぶ姿がありました。安全上致し方ないのかもしれませんが、やはりもう少し近くで湧く姿を見たいものです。
昔ながらの団地が広がっていますが、上の写真右に写っている通り、新しい団地に建て替えが進みつつあります。ちなみに大蔵団地はJKKが管理しているようです。
湧出した水は最終的に仙川に注ぎます。
いかがでしたか。東京の団地の一角にこれほどの湧水があるとは驚きでした。今回は採水や検査、試飲が出来ませんでしたが、水質は良好に見えました。また今度訪れて確かめることにします。
では。
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