ママ下より音を立てて湧く清水は、田を潤し、武蔵野の原風景を今に伝えています。
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矢川駅から徒歩18分。しばらく歩くと線状になった森を見つけます。この森が青柳崖線です。
青柳崖線
青柳崖線は古代多摩川が南へと流れを変えていく過程で武蔵野台地を削り取ってできた、河岸段丘の連なりである。崖線には湧水が多く、市街地の中の親水空間として、また野鳥や小動物の生活空間として貴重な自然地となっている。青柳崖線は立川崖線の南(多摩川より)に位置し、2万年前に形成された立川崖線に比べ、1万2千年前の形成とやや新しい。
東京都環境局339-053-914より一部抜粋
階段を下ると、音を立てて勢いよく湧き出す清水に圧倒されます。この量、そして澄み切った水。間違いなく都内トップクラスです。思わず顔を水につけてしまいました。ちなみに試飲すると、透き通った軽やかさとほのかな甘みを持ち合わせた、大変美味しい水でした。車で汲みに来る方もいらっしゃいます。
園内の看板。「野菜以外は」という何気ない書き方に、如何にこの湧水が地域の人々の生活と密着しているかが伺えます。昔はこの地でわさび栽培もおこなわれていたそうです。ちなみに、「ママ」というのはこの地域の呼び名で「崖」を意味します。つまり、崖下から水が湧き出しているので「ママ下湧水」ということですね。
夏に行くと子供たちが水遊びしている姿を目にします。いつまでも身近な水環境であってほしいですね。
いずみ大通りの高架下を抜けていきます。
高架を抜けた先に広がるのは、右手に流れる小川と、そよめく稲、そして美しい青空。初めて訪れた時は本当に感動しました。これほど美しい景色が、東京にもあるのですね。
梅雨に行くと、小川沿いに咲く紫陽花を楽しむことができます。ちなみにママ下湧水群は名前通り、斜面のいたるところから湧出が見られます。
左の小川がママ下湧水群から湧き出した水の「清水川」、右の小川が矢川緑地を源流とする、「矢川」です。どちらも飛び越えられそうな程川幅が狭いです。
さて、二つの小川はこの場所で府中用水と合流します。この場所を「矢川おんだし」と呼びます。「おんだし」の語源は「押し出し」です。交わる水が押し出されているように見えるからでしょうか。
さいごに。ママ下湧水群は湧き水巡りを始めようとしている方に最もお勧めしたい湧水です。また、季節によって異なる表情を見せるのも魅力の一つ。ぜひ訪れてみては。
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