今回の舞台は渋谷区明治神宮の清正井。日本で最も都会にある湧水と言っていいでしょう。竹下通りから数百メートルの場所にあるこの清水は、都会の喧騒をふと忘れさせてくれます。
アクセス | |
景観 | |
水量 | |
水質 |
月 | 開苑時間 | 閉苑時間 |
3月~10月 | 9時00分 | 16時30分 |
11月~2月 | 9時00分 | 16時00分 |
6月中 | 8時00分 | 17時00分(土日18時00分) |
今回は原宿駅から行きます。代々木駅からも行くことが出来ますが、清正井は原宿駅からの方が近いです
明治神宮への入場は無料ですが、清正井は「明治神宮御苑」の中にあり、別途御苑維持協力金が必要です。(大人500円、中高生200円)
坂を下ると南池があります。この南池、実は外来種がいないそう。他の水環境と比べ閉鎖された場所にあるため、現在も旧来の生態系が維持されています。ちなみに明治神宮内の堀も同様とのことです。
南池に突き当たったら右に進んでいきます。ちなみに上の案内板や下の写真を見て何か気になりませんか?そう、細長く、そして先がすぼまっています。
実は清正井は顕著な「谷頭」が見られます。
谷頭浸食とは
周囲から流入する表面水や斜面からの湧出水によって浸食が進み、谷頭が上流に後退して谷がしだいに延びる現象。谷頭では最上流部に湧水が存在する。「谷頭式」の湧水は、東京で一般的な「崖線式」の湧水と比べ涵養域が広いとされている。
谷頭をひたすら先に進みます。12月初旬に訪れましたが、紅葉が見ごろでした。美しいです。
お待たせしました。清正井です。水量は60L/分とそこそこです。水温は15度前後で一定。冬に行くと暖かいです。外国人観光客が「It’s a lot warm!」と言っていたのが印象的でした。なお、現在は飲用禁止の看板がありますが、以前は柄杓が置いてありました。実際に私も飲んだことがありますが、柔らかな舌触りの奥にほのかな甘みを感じる、大変美味しい水でした。保健所の検査で飲用不適になったそうですので、飲用は推奨致しません。また飲用の際は煮沸をお忘れなく(私はしませんが)。
写真からわかる通り、井戸の側面に穴が開いています。見事な横井戸です。そして、自噴井であることから、もともとこの場所には湧水があったと考えるのが自然です。水量や湧出場所を安定させるために横井戸を掘ったのでしょう。
そもそも、清正井の名前の由来は築城で有名な加藤清正です。実はこの一帯は江戸時代、加藤清正の息子である忠広の屋敷がありました。こうした史実と井戸の巧妙な構造から、「清正井」と呼ばれるようになったのでしょう。
湧き出した清水は最終的に渋谷川へと注ぎます。
ちょっと疲れた時は是非、清正井に行ってみてください。時が止まったような美しい武蔵野の原風景が心を癒してくれること間違いなしです。
それでは。
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