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住所 | 〒932-0305 富山県砺波市庄川町金屋 |
アクセス | ・あいの風とやま鉄道高岡駅から井波経由庄川バスに乗車、西野々バス停で下車、徒歩5分 ・北陸自動車道砺波ICから車で15分(国道156号・472号経由) |
砺波平野の南、庄川の上流部にある瓜裂清水。古来から街道を行き交う人の喉を潤した姿を今に残しています。
瓜裂清水は昭和の名水百選に選ばれています。名水百選の中では小規模な湧水になります。
訪れた日は雨が降っていた事もあり、湧出量は比較的多いです。たわしやブラシが備え付けられており、地域の方から大切にされていることが伺えます。柄杓も置かれており、口に含むと柔らかな味が広がります。
水温は14.6℃と健全な湧水として平均的な値です。また、pHは6.91と、僅かに酸性です。こちらもこの規模の湧水としては一般的です。なお、今回はEC計の調子が悪く、ECは計測出来ていません。
こちらは私が訪れた1年前に環境調査会社が測定した結果です。水温は14.9℃、pHは6.9と、私の計測結果とほぼ同じです。つまり、瓜裂清水は非常に安定した水質を保っていると推察されます。
瓜裂清水
約六百年前の南北朝時代、本願寺五世で井波瑞泉寺の開祖である綽如上人(一三五〇〜一三九三)は、杉谷山 (岩黒の奥山)に庵を結んでいた。上人が岩黒のこの地で 休んだ際、馬の蹄が突然沈み、そこから湧水が湧き出し た。上人の徳を慕う里人が献上する瓜を冷やしたところ、 その冷たさに瓜は自然に裂けた。その冷たさとおいしさ に上人は大変満足し、この清水を「瓜裂清水」と命名し たという。
瓜裂清水は、井波と金屋岩黒村、庄金剛寺を経て水戸 田方面に通じる、上使街道の傍らにある。上使街道は旧 北陸街道につながる道であった。また地元民にとっても、 身近な湧き水として利用されてきた。
昭和十二年(一九三七)、有志によって練如上人御旧蹟保存会が設立され、東屋と不動明王石像などの石仏が設置された。 昭和六十年三月、環境庁から、全国名水百選。六十一年 二月、とやまの名水。昭和六十二年三月、市指定。 歴史ある湧水である事が分かります。さて、地質についても注目していきます。
国土地理院地図を3次元化したものです。庄川の扇状地が手前に向かって広がっています。扇状地の中には、庄川の河岸段丘が3段あることが見て取れます。そして、赤丸で囲った部分が瓜裂清水です。ちょうど扇状地と山地の境目にありますね。
続いて5万分の1地質図幅です。赤丸が瓜裂の清水です。右下の茶色部が新生代 新第三紀の火成岩、左上の薄緑が新生代 第四紀の堆積岩です。地質図を見ても、山地の火成岩と扇状地の堆積岩との境目にあると分かります。
つまり、河岸段丘の崖線や、扇状地の扇端で見られる湧水のどちらとも異なる湧出経路だと考えられます。
湧水の付近は、目下砺波平野の田んぼが広がっています。急峻な白山と広大な砺波平野の狭間に生まれるこの湧水に、是非一度訪れてみてはいかがでしょうか。
それでは。
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